提案

2026年度 デジタル化の罠と経営者の品格|「作業実績」という無機質な営業への警鐘

加速する無人化、押し寄せるデジタルシフト。現代の経営環境において、私たちが向き合うPCやスマホの画面は、もはや切り離せないインフラとなりました。しかし、この便利さの裏側で、商売の根幹である「信頼」と「品格」が急速に失われていることに、どれほどの経営者が気づいているでしょうか。

今、私たちが向き合うべきは、流行のツールを追うことではなく、その道具をどう「人間としての意志」で律するかという本質です。

1.「オンライン商談」に潜む、令和の窓口突破
最近、多くの経営者の元に届く「オンライン商談の日時を選んでください」という一方的なメール。手法こそデジタルに進化していますが、その正体は、昭和の時代にアポなしで受付に突撃した「強引な飛び込み営業」が形を変えたものに過ぎません。

しかし、決定的に違うのはそこにある「敬意」の欠如です。
「あわよくば商談に乗ればいい」という数打てば当たる式の論理は、相手の課題解決のためではなく、営業マン自身の「商談設定数」という作業実績(KPI)を埋めるための身勝手な振る舞いです。経営者が本質を見抜かず、現場に「数を出せ」と無知な指示を出せば、それは自社の信頼を削り取る自傷行為となります。

2.「無駄の積み重ね」に宿る商売の本質
私は「経営者と従業員」という言葉の区別はあまり好きではありません。しかし、あえて役割として語るならば、**「本質的な仕事を行える環境をつくること」**こそが、経営者の責務です。

かつて私が教わった言葉に、こんなものがあります。
「営業は無駄の積み重ねであるが、無駄なことは一切ない」

効率を追い求める現代の物差しで測れば、何度も足を運ぶことや、たわいもない対話に時間を割くことは「無駄」に見えるでしょう。しかし、その一見無駄に見える時間の堆積こそが、相手の心を動かし、揺るぎない信頼(信用)を築き上げます。デジタル全盛の今だからこそ、この「無駄なことは一切ない」という言葉の重みを、私たちは再認識すべきではないでしょうか。

3.行動の「目的」を魂に刻ませる
自社の営業や各部門の担当者には、今一度、その行動の目的を明確に理解させてから活動をさせてやってください。

①アポを取ること」が目的になった瞬間に、仕事は作業に成り下がり、相手への敬意は消え失せます。「相手の課題をどう解決し、どのような未来を共創するのか」という本質的な目的が共有されていれば、自ずとアプローチの質は変わります。

便利な道具を使いこなしながらも、昭和の商売人が持っていた「非効率なまでの誠実さ」を忘れない。その絶妙なバランスを保てる組織こそが、次世代の生存戦略を勝ち抜くことができます。

4.「実戦」で磨く、血の通ったコンサルティング
なぜ、私が経営コンサルタントとして自ら事業運営の実戦に身を投じているのか。
それは、デジタル営業の違和感や、現場で繰り返される「無駄なようで無駄ではない時間」の価値を、クライアント様と同じ熱量で共有したいからです。

画面越しの数字や理論武装しただけの助言は、現場の熱量に負けます。私自身が泥を払い、課題を突破していくプロセスで得た「生きた知見」こそが、セールスウィズとして提供するサービスの真の価値(ロジックと熱量の融合)になると確信しています。

結び:作業実績ではなく、信頼を積み重ねる
デジタルという便利な道具を、自らの哲学でどう律するか。

「効率」という罠を捨て、相手への敬意を最優先に据える

現場に対し、作業実績ではなく「行動の目的と意味」を説く

無駄を恐れず、人間にしかできない「誠実な積み重ね」を貫く

誠実に現状と向き合い、頂いた想いを、確かな形へと変えていく。
情報の波に溺れることなく、時代の表面に踊らされない「本質的な経営」を。私はこれからも一歩ずつ、皆様と共にその高みを目指して歩んでまいります。

金沢から世界へ。現場の「熱量」をロジックで守る。
セールスウィズ 瀧澤正人

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