経営の本質は「土壌」にある|時間を味方にし、唯一無二の価値を咲かせる戦略的成長
春の訪れとともに、金沢の我が家の庭も鮮やかに色づき始めました。
イングリッシュラベンダーやセージの紫、アナベルやコデマリの純白。そして、妻が好む柔らかなピンクが少しずつ混じり合い、蕾や葉が力強く顔を出し始めています。
今年も隣の公園では鶯が鳴き始めました。ゴールデンウィークの頃にはカッコウが、そして夏になれば鳩が庭木に遊びに来る。そんな季節の移ろいを感じながら、ふと、かつてテレビで見た将棋の米長邦雄先生の姿を思い出します。「鳥は幸せを運んでくれる」と、庭で鳥を大切にされていた米長先生。勝負の極限に生きる棋士が、目に見えない「縁」や「運」を呼び込むために環境を整えていた姿は、経営の本質にも通じるものがあります。
1.「蕾」の時期に何を準備するか
植物は、花を咲かせる直前の今、目に見えないところで最もエネルギーを使っています。ビジネスも同様です。目に見える結果(開花)が出る前、つまり「準備」の段階でどれだけ土壌を整え、養分を蓄えたかで、その後の景色は決まります。
流行りのツールに飛びつき、無理やり花を咲かせようとするのは、蕾を無理にこじ開けるようなものです。米長先生が鳥を待つように、季節の訪れを信じ、適切なタイミングで「その時」を掴むための「かしこい準備」。それこそが、経営者に求められる裁量です。
2.「幸せ(信頼)」は、整えられた場所に集まる
鳥が好んで集まる庭には、彼らが安心して羽を休められる「環境」があります。ビジネスにおける信頼や良き縁も、これと同じではないでしょうか。
本質的な仕事の環境: 現場が目先の数字(作業実績)に追われるのではなく、行動の目的を明確に理解して動ける土壌。
品格のあるアプローチ: 無機質なメールで強引に窓口を突破するのではなく、相手への敬意を尽くし、誠実な積み重ねを厭わない場。
「あわよくば」という下心でチャンスを追いかけ回すのではなく、あちらから訪れたくなるような、誠実で温かみのある「商いの土壌」を整えること。それが、幸せな成長を呼び込む唯一の道です。
3.水と、目と、愛情が「美しい花」を咲かせる
美しい庭を保つためには、日々の細やかな手入れが欠かせません。花に水をやり、毎日目をかけ、愛情を注ぐ。その地道なプロセスの先にこそ、目を見張るような美しい開花があります。
これは、山本五十六の名言にある「信じて見守る」心とも深く通じるものです。人は、ただ指示を出すだけでは動きません。「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」。植物が成長する力を信じて目をかけ続けるように、経営者もまた、社員や各部門の担当者が本質的な仕事に向き合えるよう、愛情を持って「信じ、見守る」姿勢が求められます。
デジタル化や無人化が進む現代だからこそ、この「手触り感のある時間」が重要です。効率で人を動かすのではなく、誠実な眼差しと愛情で信頼の根を育てる。その積み重ねこそが、他社には真似できない唯一無二の価値を咲かせるのです。
4.自らの足で立ち、現場の空気から導き出す
私が経営コンサルタントとして自ら事業運営に当たるのは、教科書の上だけで「花の咲かせ方」を語りたくないからです。自らが土に触れ、芽吹きの喜びと鳥たちの運ぶ「兆し」を実感する。そのプロセスをクライアント様と共有し、共に歩むこと。
机上の空論ではない、一つひとつの実務から導き出した確信こそが、セールスウィズが提供する価値の本質であると考えています。
結び:芽吹きを信じ、今日を積み重ねる
庭の植物たちが蕾を膨らませ、鳥たちが幸せを運んでくるように、私たちのビジネスもまた、日々の誠実な活動を通じて、開花の時へと向かっています。
・目に見える結果に焦らず、蕾の時期の「準備」を徹底する
・チャンスが訪れたくなるような、誠実な「商いの土壌」を整える
・山本五十六の心で、愛情を持って「信じ、見守る」ことで深い信頼を育てる
誠実に現状と向き合い、頂いた想いを、確かな形へと変えていく。
情報の波に溺れず、鳥の声に耳を傾けるゆとりを持って。私はこれからも、皆様と共に「豊かで本質的な成長」を追い求めてまいります。
金沢から世界へ。現場の「熱量」をロジックで守る。
セールスウィズ 瀧澤正人
