ぬくもりを乗せた車が、角を曲がるまで ―― 大都会へ旅立つ3人へ
サブテーマ:初孫の誕生と里帰り出産の終わり。母となった娘夫婦を見送り、親としての役目を胸に贈る輝かしい未来への祝福
賑やかで幸せな日々にひと区切りがつき、娘夫婦と初孫が笑顔で旅立っていった。
里帰り出産で娘が帰ってきてからの日々は、まさに光のように駆け抜けていった。
けれど、その流れた時間の濃度は、普段の生活とはまったく違う、かけがえのない喜びに満ちたものだった。
正直に言えば、初孫が生まれたばかりの最初は、どこか客観的に見つめている自分がいた。
祖父になったという実感もすぐには追いつかず、感情が芽生えるまでには少しばかり時間を要した気がする。
けれど、小さな命が泣き、眠り、ただそこにいるだけで、周りの大人たちが自然とほころび、家の中がパッと明るい笑顔で満たされていく。
日を追うごとにすくすくと育ち、日に日に大きくなっていく姿。
命が確かに前へと進み、成長していく過程をまざまざと感じるうちに、気がつけば胸の中はすっかり「可愛い」という愛おしさでいっぱいに占められていた。
初めて腕に抱いた初孫の重み。
壊れてしまいそうなほど柔らかく、小さく、それでいて確かに力強く脈打つ命のぬくもり。
抱っこしながらその寝顔を見つめていると、言葉にならない感動が湧いてきた。
自分がかつて育ててきた命が、こうして次の新しい命を紡ぎ、この世界に運んできてくれた。
理屈や言葉を超えた生命の力強いバトンを目の当たりにして、胸の奥が熱くなるばかりだった。
そして何より、娘の姿だ。
ついこの間まで、まだまだ子どもだと思っていたはずの娘が、寝不足のなかでも小さな我が子を愛おしそうに抱き上げ、優しくあやしている。
その横顔は、すっかり凛とした「母」の顔になっていた。
親の知らないところで、子どもはしっかりと大人になり、誰かの親として新しい一歩を踏み出していく。
頼もしさと、誇らしさ。
「けなげだな」「立派になったな」と、感じた光景だ。
それと同時に、自分たち親としての大きな役目を、また一つ無事に果たし終えたような、静かで確かな達成感も胸に広がっていた。
今年は、本当に目まぐるしく、喜ばしい家族の変化が続いている。
家族のかたちが新しく広がり、それぞれの役割が変わり、命が次へと受け継がれていく。
人が生きていくこと、時間を重ねていくことの素晴らしさは、きっとこうした前進と成長の中にこそあるのだと思う。
今日、娘は頼もしい夫と我が子を連れて、自分たちがこれから築いていく「自分の住むべき町、いや、大都会か!」へと晴れやかに戻っていった。
二人で手を取り合い、新しい命を真ん中にして、これからどんな温かい家庭を創り上げていくのだろう。
その未来には、きっと数え切れないほどの笑顔と、輝かしい日々の連続が待っているはずだ。
駅までは、妻が運転する車に3人は乗って、我が家をあとにした。
それを私は雨の降る中、見送った。
遠ざかっていく車の後ろ姿を見つめながら、これからの希望に満ち溢れた彼らの歩みを、とても誇らしく思っていた。
新しい家族の旅立ちを、心から誇らしく、全力で祝したい。
生まれてきてくれた新しい命へ、心からの祝福を。
そして、命を紡ぎ、母となった娘と、支え合う若き夫婦へ、輝かしい未来への大きなエールを贈りたい。
